前回も書きましたが、僕は関東圏の大学教員をやっていて、1月、2月は卒論・修論・博論で忙しい時期になります。
今回も僕が考えるPowerPointスライドの作り方のコツをお伝えしたいと思います。
基本方針は、
- 聴衆にとってスライド内のパーツの役割(タイトル、グラフ、説明書きなど)が理解しやすいこと
- 自分が説明している部分に聴衆が集中できること
でしょうか。
好みの部分もあると思うので、他の人のスライドの作り方などとも比較して、参考にして下さい。
タイトルのメッセージ性と見た目
スライドタイトルは、表示しているスライドで何を伝えたいかを表すものです。
伝えたいメッセージをなるべく簡潔な言葉で表したいところです。
まず伝わりにくい例(悪い例)から紹介しますが、
「薬剤の細胞形態への影響」
こんなタイトルだと、細胞形態がどうなったのか全くわかりませんね。
もっと具体的に、
「薬剤処理によって、扁平な細胞が球形に近い形状に変化した」
このような説明をタイトルにした方が、聴衆にはわかりやすいです。
また、見た目の問題で、前回書いた「フォントのメリハリ」と似たような観点ですが、タイトルに長方形の帯を付けると、その部分が他のエリアと分離されますので、タイトル部分がはっきりして良いです。
アニメーションを使う
アニメーションは、注目してもらいたい部分を強調したり、視線を集めたりできるのでうまく使うと効果的です。
ですが、アニメーションを使うかどうかは、実は賛否両論あります。
反対意見の筆頭は、トラブルで止まってしまうリスクがあるというものですね。
僕の印象では、最近はパソコンの性能も、パワーポイントの安定性も上がっているので、止まることはあまりないのでは?と感じています。実際、僕自身は本番で止まってしまった経験はありません。
アニメーション:図を段階的に表示する
1枚のスライドに何枚かの図を表示させたい(最終的に比較してもらいたい)時に使う手法ですが、説明する順に段階的に図を表示させて行きます。
例えば、2つのグラフを1枚のスライドに載せていて、左のグラフ→右のグラフのように説明する場合。
まず左のグラフのみを表示しておいて、これについて説明します。
次に、右のグラフをアニメーションで表示して、説明。必要に応じて、左のグラフ、右のグラフを比較したりして、解説します。
最初から2つのグラフを両方出しておくのではなく、段階的に表示させることによって、強制的に聴衆の視線を集められるので、聴衆にとっては理解しやすくなります(どこを説明されているのか、見ればわかるということです)。
アニメーション:四角・丸で囲ったり吹き出しで強調
グラフや図が1枚の場合でも、その中の一部に注目してもらいたい場合にアニメーションを使うことがあります。
例えば、グラフの左のカラムから右のカラムに向かって一つずつ説明する場合に、説明しているカラムを四角で囲うアニメーションを順に表示して移動させたり、「増加」「減少」のような吹き出しを順に移動させながら、説明して行きます。
人間は動くものに目線が行くので、こういうアニメーションを入れながら説明すると、人の目線をコントロールできます。
これに関してはレーザーポインターで指しながら説明するというのでも十分かもしれないですし、そうしている人もたくさんいます。
アニメーションを使うと、あらかじめ説明の順(聴衆の目線を集める場所)を設計しておけるので、間違いや説明忘れが少なくなるという効果があって、僕はアニメーションを入れるようにしています。
まとめ
いかがでしょうか。
今回は、
- タイトルのメッセージ性と見た目
- アニメーション
についてのコツでした。
ちょっと好みが分かれる点もあると思いますが(学生さんにとっては、先生からのダメ出しが入るかも?)、使ってみると効果的な説明ができると思います。
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