僕は関東圏の大学で教員をやっているのですが、12月〜2月初めくらいまでは学位論文(卒論・修論・博論)で忙しい時期になります。
学位論文を提出して審査してもらうわけですが、論文提出の後に口頭発表があり、それに合格して学位取得になります。
毎年学生さんはそれぞれに苦労して、頑張って、クリアしていきますね。
今日は口頭発表のプレゼンに使うスライド(PowerPointなど)の作り方のコツをお伝えしたいと思います。
学位論文だけでなく、ビジネスマンにとってのプレゼンでも当てはまることだと思います。
スライドの枚数
スライド枚数の目安は、説明が必要なスライド(内容スライド)のみを数えて、発表時間(分)と同じ枚数か、多くてもその1.2倍くらいですね。実際にはタイトルスライドや、ブレイクスライド(セクションが変わることを示すスライド。章タイトルのみのスライドなど)を入れるともう少し増えます。
例えば発表時間が12分の卒論発表であれば、内容スライドが12枚〜15枚くらいで、これにタイトルスライドなどを含めると+3枚前後くらいでしょうか。
スライドの構成(話の時間配分)
内容を説明する時間配分についてですが、目安はおおむね次のようになると思います。
- 背景の説明:全体の10〜20%
- 中身の説明:全体の60〜70%(学位論文などで「方法や結果」にあたる部分)
- まとめの説明:全体の10〜20%
先ほどの例で、内容スライドが15枚の卒論発表を想定すると、
- 背景:2枚
- 方法、結果:10枚
- まとめ:3枚
ぐらいの感じです。
背景はなるべく簡潔にして、結果の説明になるべく時間を割きたいですね。まとめについては、背景よりも時間を使った方が丁寧な説明になると思います。
実際には、背景が複雑だったりすると詳しく説明せざるを得なくなったりもするので、指導教員の先生とも相談しながら臨機応変に対応したらオーケーだと思います。
フォントのメリハリ
フォントのサイズ
使うフォントにはメリハリをつけましょう→どういう意味かというと、カテゴリーの違うテキストには違うフォントを使うということ。
メリハリがない例は、タイトルとサブタイトル、本文のテキスト全てを同じフォントサイズ、同じフォントの種類、ボールドなども一切使わないというようなものです。
まずはサイズについて。
- タイトル:28〜36ポイントくらい(スライドの一番上に設置)
- サブタイトル:24〜28ポイントくらい(タイトルの真下やスライド下段に設置)
- 本文:20~24ポイントくらい(色々な説明書き)
フォントサイズは20ポイントを下回らない方が良いです。遠くの人が読めなくなるケースが出てきます。
ただ例外的に、グラフ縦軸(または横軸)の数字は16〜18ポイントとか少し小さめでもオーケーです。通常、読めなかったとしてもそんなに問題にはならないです。
フォントの種類
フォントの種類(強調などの見た目含む)もカテゴリーによって変えて、メリハリをつけましょう。
簡単なのは、ボールド(太字)、イタリック(斜体)、アンダーライン(下線)ですね。
他には、テキストボックスを濃いグレーや青、赤などのはっきりした色で塗りつぶして、テキストを白色にすると、白抜き文字になって強調効果が高いです。
もう一つメリハリをつける方法として、フォントの種類(MSゴシックなど)をそもそも変えてしまうというのがあります。ただこの方法は、統一感がなくなると言って好まない先生もいらっしゃるので、要相談ですね。
僕はよく使います。
例えば、本文、サブタイトルはMSゴシックで統一しておいて、タイトルのみヒラギノ丸ゴシックなどの丸みを帯びたフォントにすると、差別化できます(本文とタイトルの見た目の違いがはっきりする)。
ちなみにフォントの種類は、発表スライドではゴシック体などの縦線と横線が同じ太さで描かれているフォントが見やすくて良いです。
明朝体などの縦線と横線は書物では読みやすいかもしれませんが、発表スライドではあまり好まれません(個人的には、チラチラして読みにくい印象があります)。
図の線の太さ
意外と気にする人が少ないのが、図に使う線の太さです。
直線、曲線、図形の枠線、グラフの縦軸、横軸などです。
細いと見にくくなります。
2.5ポイントを下回らないようにした方が良いです。
僕は基本を2.5ポイントにして、強調したい場合などは6ポイント前後ぐらいに太くする場合があります。
矢印などでもっと強調したい場合には、図形の矢印を使ってしまいます。塗りつぶし部分にグラデーションをかけられたりするので、見た目にも強調効果があります。
まとめ
他にも注意点やコツはたくさんありますが、一番基本的だと個人的に思っている4点をピックアップしました。改めてまとめると…
- スライドの枚数
- スライドの構成(時間配分)
- フォントのサイズと種類
- 図形の線の太さ
最低限この4点に注意して、発表スライドを作ると良いかなと思います。
見た目の見やすさは、わかりやすさにもつながります。
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