学位論文(卒論・修論・博論)の書き方のコツ〜結果→考察→背景の順に書くと良いです。

※ 当サイトではアフィリエイト広告を利用しています

学位論文の書き方のコツ 研究・教育系
スポンサーリンク

本日の記事では、僕が考える「卒業論文・修士論文・博士論文の書き方のコツ」をお伝えしたいと思います。

僕は普段関東圏の大学で教員をしています。

年末から2月ぐらいまでは学位論文シーズンで、学生さんの論文や発表スライドにコメントをしたりして忙しい時期になりますが、今年も何とかそのシーズンは終わりました。

もう少し早く記事にすれば良かったかなと思う面もありますが、仕方ないですね。

僕自身が生命科学系が専門ですので、生命科学系学部(農・理・薬・医など)を想定していますが、数学系、物理系、化学系、工学系などでも大きく変わらないんじゃないかと思います。

文系学部でも同じかも?とも思いますが、自信はありません(汗)

論文を構成する4つの重要パーツ(背景、方法、結果、考察)

まず、学位論文を構成する最も重要なパーツは、

  • 背景
  • 方法
  • 結果
  • 考察

です。これらを書くのに最も多くの時間を使うことになると思います。

背景、方法、結果、考察を書き進める順番

4つの重要パーツ、背景、方法、結果、考察。これらをどういう順で書き進めると効率が良いか。

オススメの順は、

結果→考察→背景

最初の「背景」から順番に(背景→結果→考察の順に)書く人も多いかもしれませんが、背景は考察にどういう内容を書くかによって変わってきます。

背景で提示した問題提起を、結果と考察で回収して行くことになります。

ですので、考察を書いてから背景を書いた方が効率は良いです

では、「考察」はどう書くかと言うか、考察は結果に基づいて、これを補強する内容を他の論文等を引用しながら書いていきます。

ですので、「結果」がないと、考察は書けません。

考察に書く内容としては、

  • 自分の結果と類似の結果を導き出している論文があれば、これを自分の結果を支持する内容として紹介する。
  • 類似実験ではあるが、自分の結果とは反する結果になる論文についても、自分の実験との相違点などについて考察する。
  • 本来なら行っていても良い実験があるけれども、トライしたがその実験が成立しなかった理由について述べる。

などですね。

先ほど書いたように、結果がないと考察が書けないので、「結果」を最初に書くことになります

結果は自分のオリジナルのコンテンツで、自分が行った実験や調査の「結果」を淡々と、主観を交えずに書いて行きます。

まとめると、最初に「結果」を書きましょう。これに基づいて、「考察」を書き、これに呼応する形で、「背景」を書きます

さて、この順に「方法」が入っていませんね。

「方法」はぶっちゃけどの段階で書いても良いです

最初に書き始めて、論文執筆のモチベーションを上げても良いですし(作業し始めるとやる気も出てくると思います)、他のパーツを書いていて煮詰まってきたら気分転換に書いても良いと思います。

背景、方法、結果、考察を記載する順番

4つの重要パーツである背景、方法、結果、考察の並び順ですが、次の3つはこの順で確定で良いと思いますし、他の順番で論文を構成する人はほぼいないと思います。

  • 背景
  • (方法)
  • 結果
  • 考察
  • (方法)

さて、ここでも「方法」は別扱いな感じになってしまっています。

方法を入れるメジャーな場所は、背景の後(結果の前)か、考察の後です。

「方法」は、ある程度の知識がある人が論文を読むのであれば、読まなくても全体が理解できるように構成されているのが理想だと思います。

そのためには、「結果」や「フィギュアレジェンド(図の説明書き)」にどういう実験をしたのかを簡潔に書いておきます。

必ずしも読まなくても全体を理解できるようになっていれば、どこにあっても構わないですが、違和感がないのは背景の後か、考察の後ですね。

章構成について;序章、第1章~、終章

ここまで大雑把に背景、方法、結果、考察について書いてきましたが、卒業論文くらいの分量(データ量)であれば、このまま書いても成り立つ場合もあるかと思います。

しかし、修士論文や博士論文になってくると、分量的にそうも行かなくなります。

ある程度トピックごとにまとめて記載する必要が出てきます。

そうなった場合に、学位論文全体を章に分けて記載します。ですが、基本的な考え方は同じです。

  • 序章(論文全体の背景)
  • (材料と方法)
  • 第1章、第2章・・・
  • 終章(総合討論)
  • (材料と方法)

序章は、論文全体の背景です。

第1章から始まる各章は、上で書いた結果に相当する部分の少し規模が大きいものと思ってもらって良いと思います。

少し規模が大きいというのは、各章それぞれが論文として成立する(背景、結果、考察がある)という意味です。

各章それぞれに、背景(「緒言」というタイトルにする場合もあります)、結果、考察の項目を設けます

終章(または「総合討論」のタイトルにする場合もあります)は、全体の考察です。章をまたがって考察を展開し、自分の研究全体についての考えや、自分の研究から導き出される概念を、他の人の論文を引用しながら書いていきます。広い視点で見た場合の考察ですね。自分の研究からこういうことが言えるんじゃないかという「夢」を語るくらいに壮大に捉えてもらった方が、俯瞰的な考察になると思います

材料と方法は、上で書いた方法に相当する部分です。論文全体で似たような実験をたくさん行っている場合は、まとめて一つの章として記載しても良いと思います。各章それぞれで違う実験をしているようであれば、この章は設けずに、各章に入れ込んでしまってもオーケーです。ケースバイケースで、読みやすい方法を選択したら良いと思います。

まとめ

いかがでしょうか。

もう一度書きますが、結果→考察→背景の順に書き進めてみて下さい。

そして、結果にはは事実を客観的に記載することが大切です。

考察には自分の考えを述べますが、根拠の記載(論文の引用など)を忘れずに。

コメント

タイトルとURLをコピーしました